FMV-4xxD3 HDD増設マニュアル(初心者向け)

by ドッペルアルバイト (C) 29.Nov.1997


HDDの増設作業

●基本MS-DOS領域を作成する(1000MB)

ハードディスクを今回増設した「2」に切り換えたら、まず基本MS-DOS領域を作ります。このディスクを後でマスタに変更し、MS-DOSの起動ドライブとするためには、基本MS-DOS領域として作ることが必要です。
増設したディスクをスレーブのままで起動ドライブとしなければ、「1.基本MS-DOS領域を作成」でなく、「2.拡張MS-DOS領域を作成」でかまいません。拡張MS-DOS領域内に複数のドライブを割りあてて、別々のドライブ番号を設ける時は、拡張MS-DOS領域を作った後に「3.拡張MS-DOS領域内に論理MS-DOSドライブの作成」を選択します。

基本MS-DOS領域のサイズを割り当てます。[Y]を指定するとディスク最大容量の1221MB全てが1区画となります。1区画とした場合のクラスタサイズは32768byteとなります。またFMV-D3/D4では使用できませんが、2.1GBを超える大容量ハードディスクの場合では、[Y]を指定するとMS-DOSで管理できる1区画の最大容量の2047MB(2,146,631,680バイト)が割り当てられます。
ここでは基本区画を1000MBとするため[N]を選択し、必要な領域サイズとして[1000]を入力します。とにかく何が何でも16Kbyteクラスタでの最大容量を取りたいという人はここで[1023](場合によっては[1019]付近)と入力すれはOKです。
現在のハードディスク:2
基本MS-DOS領域に使用できる最大サイズを割り当てますか
(Y/N)..........................................?[N]
現在のハードディスク:2
領域のサイズをMバイトか全体に対する割合で(%)入力してください
基本MS-DOS領域を作ります......................[1000]

既存のマスタに基本MS-DOS領域(Cドライブ)が有るため、スレーブに基本MS-DOS領域を作るとこのドライブ番号はDドライブとなります。もし、既存のマスタに拡張MS-DOS領域が有り、従来Dドライブで運用されていたものはEドライブに変更となります。

 
今回増設のパターンは上記(2)の形態で説明しています。
FMV-D3であれば、初期搭載のHDDは420MBのCドライブ1区画だけですから、実際に増設するパターンは上記(1)の形態になると思います。またCD-ROMはDドライブとなっていますので、ハードディスクを増設したことにより、CD-ROMは一番最後のドライブ番号に変更されてしまいます。
Windows3.1でCD-ROMのドライブ番号を変更したくない場合は、CD-ROMドライブのアクセスを制御するソフトであるMSCDEX.EXEの記述に「/L」オプションを付けてドライブ番号を固定します。ただしこの場合も付与できるドライブ番号はIDEやSCSIハードディスクの後の最後の番号に制限されます。

<AUTOEXEC.BATの定義>

C:\DOS\MSCDEX.EXE /D:CDROM1 /V /M:15 /L:Q
(赤字 : ドライブ番号をQドライブに固定)
(LASTDRVIVE=Z の設定もわすれずに!)
Windows95でCD-ROMのドライブ番号を変更したくない場合は、「コントロールパネル」-「システム」-「デバイスマネージャ」-「CD-ROM」-「お使いのCD-ROM(MATSHITA CD-ROM CR-562)」-「設定」で予約ドライブ文字 ・開始ドライブ「Q:」・終了ドライブ「Q:」として「OK」- 前の画面(デバイスマネージャ)に戻り「更新」を押してやれば、Qドライブに予約できます。CD-ROMに予約できる番号はこの場合もHDD割り当て以降の最後の番号となります。

●拡張MS-DOS領域を作成する(221MB)

ESCで初期メニューに戻り、次に拡張MS-DOS領域の作成を選択します。
割り当て可能な残りの容量が表示されますので、最大値の221MBを指定します。
    現在のハードディスク:2

    1  基本MS−DOS領域を作成
    2.拡張MS−DOS領域を作成
    3.拡張MS-DOS領域内に論理MS-DOSドライブを作成

    どれか選んで下さい:[2]
    
    現在のハードディスク:2                                        
                                                                    
    領域  状態    種類  ボリュームラベル  Mバイト  システム  使用   
    D:        PRI DOS                    1000    UNKNOWN    82%   
                                                                    
    ディスクの総容量は1221Mバイトです (1Mバイト=1048576バイト)      
    領域に割り当て可能な最大領域は  221 Mバイト ( 18%)です.         
                                                                    
    領域のサイズをMバイトか全体に対する割合で(%)入力してください 
    拡張MS−DOS領域を作ります......................[ 221]    
    
    現在のハードディスク:2                                        
                                                                    
    領域   状態   種類  ボリュームラベル  Mバイト システム  使用    
    D:1      PRI DOS                    1000   UNKNOWN    82%    
        2      EXT DOS                     221   UNKNOWN    18%    
                                                                    
    拡張MS-DOS領域を作成しました.                                  
    

●拡張MS-DOS領域の中に論理MS-DOSドライブを作成する

HDDに複数のドライブを作る場合は、「拡張MS-DOS領域」を作った後に「拡張MS-DOS領域内に論理MS-DOSドライブを作成」としてそれぞれの区画毎に必要な容量を割り当ててやります。
なお、FDISKで拡張MS-DOS領域を作成した直後はこのメニューを選ばなくとも、そのまま「拡張MS-DOS領域内に論理MS-DOSドライブを作成」としてこのステップに移り、作業が続けられます。既存のHDDの領域変更など、一度作った環境の作り直しなどの際はこのメニューから選択する必要があります。
    現在のハードディスク:2

    1  基本MS−DOS領域を作成
    2.拡張MS−DOS領域を作成
    3.拡張MS-DOS領域内に論理MS-DOSドライブを作成

    どれか選んで下さい:[3]
    
         拡張MS−DOS領域内に論理MS−DOSドライブを作成
  
  Drv  ボリュームラベル  Mバイト システム    使用
  D:                    1000   UNKNOWN      82%
  
  拡張 MS-DOS 領域は全部で 221 Mバイトです (1Mバイト=1048576バイト)
  論理ドライブに割り当て可能な最大領域は  221 Mバイト ( 18%)です.
  
  論理ドライブのサイズをMバイトか全体に対する割合で(%)入力してください [221]
    
メニューに従い、必要な容量を指定してやればOKです。

FDISKの全体イメージは上記のとおりとなります。
良く有るFAQとしてFDISKメニューの中の「4.領域情報を表示」で、拡張MS-DOS領域が作成されているものの、FORMAT時に新ドライブが認識されていないような場合は、「拡張MS-DOS領域内に論理MS-DOSドライブを作成」を試みて下さい。

●FORMATの実行(増設したドライブの初期化)

区画割りが終わりましたので、ESCを押しFDISKを終了させます。DOSプロンプトに戻ったら電源をいったん切断し、もう一度電源を入れなおして新しい環境で起動をかけます。この場合も起動フロッピィから起動しますが、マスタは変更していませんので、従来どおり既存のマスタがCドライブとなります。ただしCドライブ以降は新しいドライブ番号が割り当てられます。新しい環境で増設したHDDのドライブ番号を再度確認するには、FDISKのメニューの「5.現在のハードディスクドライブを変更」を選べば全ディスクのドライブ番号と区画容量の一覧が見られますので一目瞭然で確認できます。
HDDをフォーマット(初期化)するコマンドはフロッピィディスクの初期化と同じ「FORMAT」を使います。コマンドを実行する前に現在使用しているドライブを誤って消さないよう、いったん「DIR D:」とか「DIR F:」で増設したHDDがまだ使えないことを確認しておきます。「このドライブは使えない〜〜」と怒られればOKです。 怒られたらさっさと中止(A)を選び、起動フロッピィドライブの「A:」に戻ります。 もし使用中のディスクのファイル一覧が表示されてしまったら初期化するドライブ番号の誤りですから、データを消さないよう注意してください。
《Windows 95の場合には (Star Bozeさんのアドバイス)》
・Windows 95の DOS窓の場合、稀に formatコマンドを実行すると異常終了してしまい、フォーマット出来ない場合があります。この様な時には、エクスプローラからドライブ選択後、右クリックで現れるメニューからフォーマットを選択して下さい。
・尚、Windows 95の DOS窓やエクスプローラからフォーマットした場合、再起動するまでロングファイルネームは使えませんので注意して下さい。 (時々、再起動するのを忘れて「ロングファイルネームが使えない」と質問される方が散見されます^^;)
まず、Dドライブをフォーマットします。あとでこのディスクをマスタとしてシステム起動ドライブとする場合は、あらかじめ「/S」オプションを付けてシステムをあわせて転送しておくことができます。Windows95においては「FORMAT D: /S」と打ち込んだ時に「システムファイルを読み込むにはメモリが足りません. フォーマットを中止しました」というエラーが出る場合が有ります。 この場合は「FORMAT D:」と「SYS D:」の2回に分けて実行します。
ただし、次の場合はシステム転送の「/S」オプションは指定不要です。
・HDDをスレーブとして増設する人(システムが不要)
・マスタでも最初からシステムをインストールしなおす人(システムインストール時にインストールディスクからシステム転送する)


続いてFドライブを初期化します。

ここまででとりあえずハードディスクをスレーブとして増やす作業は完了しました。増設したディスクをスレーブとしてそのまま使う人は元のとおりハードディスクと電源ボックスを固定すればHDDの増設はすべて完了です。引き続きマスタとスレーブの入替えをする方は次の「ハードディスクの固定、電源ボックスの固定」の項を読みとばし、「マスタ−スレーブの入替え」の章に飛びましょう。
《Windows 95B(OSR2)の 32bit FATでフォーマットする場合には (Star Bozeさんのアドバイス)》
・Windows 95B、俗に OSR2と呼ばれるバージョンの 95 では、新たにサポートされた 32bit FATが使用可能です。32bit FATとした場合、2GB以上の区画をも作る事が可能となり、4GBでも6GBでも一つのドライブとする事が出来ます。 その反面、従来の 12/16bit FATしか想定していないアプリケーションではトラブルの元となりますので注意が必要です。
・通常、2GB以上の区画を作成した場合には自動的に 32bit FATとなり、それ以下の場合には、fdiskを立ち上げた時の、
「大容量ディスクのサポートを使用可能にしますか(Y/N).......?[N]」
の指定によって変わって来ます。が、2.1GB 以下ではこのメッセージが出ないので、 一言でこうなるとは言えないのですが…^^;。
・ここでは、2GB以下の区画にも 32bit FATにてフォーマットする方法を示します。 尚、2GB以下の区画に 32bit FATを適用した場合、 「ディスクの区画とクラスタサイズについて」 で示されているクラスタサイズによる無駄をさらに減少させる事が出来ます。
・32bit FATでフォーマットする場合、formatコマンドの隠しオプションを使います。
FORMAT ドライブ: /Z:セクタ数
とします。 セクタ数には 1, 2, 4, 8, 16, 32… が指定可能で、1なら 512bytes/clusterになり、2なら 1024bytes/cluster、4 なら 2048bytes/clusterという具合です。 ただあまり小さな値を指定するとパフォーマンスが低下するので、小さくしても /Z:8。 効率とパフォーマンスで /Z:16 辺りが適当でしょう。
当然の事ながら、/Z:64 を指定すると 32KB/cluster となり無意味となります。
・実行の一例を示します。ここでは、D:ドライブを 8192KB/cluster にフォーマットしてみます。
A:\>FORMAT d: /Z:16
フォーマットした結果、クラスタ数を調べるには chkdskコマンドが手軽でしょう。
C:\>chkdsk d:
このドライブを調べるには、SCANDISK を使用する必要があります。
ボリュームシリアル番号は 1A3B-0805
1,608,597,504 バイト : 全ディスク領域
894,566,400 バイト : 使用可能なディスク領域
8,192 バイト : アロケーションユニットサイズ ← これ
196,362 個 : 全アロケーションユニット
109,200 個 : 使用可能アロケーションユニット
655,360 バイト : 全メモリ
573,264 バイト : 使用可能メモリ
CHKDSK を実行する代わりに, SCANDISK を使ってみてください. SCANDISK の方が,
より確実に問題をみつけ, 修正できる問題の範囲も広くなります.

赤字で示した部分が一クラスタあたりのバイト数です。 どうですか? 指定した値になりましたか?。

・尚、FAT32 を使う為には約 512MB(1MB=1024KB)以上の区画を作る必要があります。

●ハードディスクの固定、電源ボックスの固定

ハードディスクを増設し、各ドライブも認識できたら機械的な組立作業は終わりです。今までと逆の手順でハードディスクと電源ボックスを固定しましょう。
・電源下のスレーブは電源ボックス固定用の足場(?)に寄り添ってビニールテープで固定します。
・マスタはHDD取付金具にインチネジ4本、CD-ROM右側上部にミリネジ2本で取り付けます。
・電源ケーブル等の配線も束ねてケーブルホルダーに固定します。
・電源ボックスを元の位置に戻し、内部2か所、本体裏面4か所をネジで止めます。あまりにも長文なので、もう取り外した時の状態はすっかり忘れてしまったとか...(^^;) もちろん覚えていますよね。最後に必ずネジが1本余るはずです。←ウソ
HDDをスレーブとして増設する方はこれで全て完了です。 大変お疲れさまでした。

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