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FMV-4xxD3 HDD増設マニュアル(初心者向け)

by ドッペルアルバイト (C) 31.Oct.1998


●ジャンパ(JP)設定について

HDDをマスタとして使うか、スレーブとして使うかは「ジャンパ」と呼ばれる3〜5mm角のショートプラグを使います。
HDDの基盤面やコネクタ面に取り付けられたHDDの動作条件設定用のジャンパで、ピンとピンの間にこのプラグ(ジャンパピン)を差し込み、ピン間をショートすることで各種の設定を行います。ジャンパピンの設定はHDDメーカ毎に異なります。設定方法は一般的にハードディスクドライブの表面ラベルに表記されていますので、購入した後で予めよく確認しておいて下さい。

FBSTシリーズのジャンパについての注意


FMV466D3の初期搭載 HDDには CFS420Aの他、Western Digital(WD)の他、Caviar AC2420があるということで、いちおうジャンパ設定を書いておきます。 CaviarAC2420が付いている人はWD独自のシングル設定に注意して下さい。2台目を付けるときは必ずマスタかスレーブのいずれかの設定に変更する必要があります。シングル設定のままスレーブを接続して、HDDを認識させることができない方が良くいらっしゃいますので、WDご使用の方は要注意です。

ちなみにFB1280ATやFBST2100ATのCS、CFS420AのC/Sは「Cable Select(ケーブルセレクト)」です。ケーブルセレクト方式は、 ATAインタフェースの28番ピン(CSEL信号)を利用してユーザがジャンパを設定しなくともそれぞれのデバイスを自動アドレッシングする目的で規格化しているIDEの機能です。HDDを取り付けるコネクタの位置でマスタ/スレーブが決まります。これを逆に取り付けると起動ドライブがスレーブとなりシステムが動かなくなるとか、シングル(1台だけ)接続時のコネクタ分岐の信号反射特性の問題、ひいてはケーブルセレクト方式に対応した特別なIDEケーブルの準備が必要なことなどケーブルセレクト方式にも一長一短があるようです。現状では HDDにマスタ/スレーブのジャンパを設定すれば済む問題ですから、 いくらHDDがケーブルセレクト方式に対応していてもまず普及はしないでしょうね。
と言っておきながら、実は前項で普及しないと大みえをきったケーブルセレクト方式ですが、何と最近のFMVにこのケーブルセレクトを採用しているモデルがあるようです。(機種名は定かではありませんが..。) この場合は1台目のディスクでもジャンパはマスタでなくCSに設定してあります。また、IDEケーブルも特殊なものになっていますので増設の際は注意が必要です。ケーブルセレクト方式へのHDD増設は、ジャンパをCS位置にセットしてIDEケーブルの中間の空いているコネクタにそのまま差し込めばスレーブとして認識されます。またそのままIDEコネクタの先端と中間のHDDを入れ替えればジャンパの位置を換えること無くマスタとスレーブが入れ替わります。もちろん市販の標準IDEケーブルを買ってくればこのマニュアルに解説しているマスタやスレーブでの設定でも正しく動きます。

●ディスクの区画とクラスタサイズについて

・増設したディスクはいくつかの区画に分けて使用することができます。区画を分けた場合、各ドライブのクラスタサイズは概ね以下のとおりとなります。
 
ドライブ容量 FAT16クラスタサイズ FAT32クラスタサイズ

〜8MB未満

2KB (2,048byte):FAT12互換


(FAT16と同じ)

8MB〜15MB

4KB (4,096byte):FAT12互換

16MB〜128MB

2KB( 2,048byte)

128MB〜255MB

4KB( 4,096byte)

256MB〜511MB

8KB( 8,192byte)

512MB〜1023MB

16KB(16,384byte)

4KB( 4,096byte)

1024MB〜2047MB

32KB(32,768byte)

2GB以上〜4GB未満

設定不可

4GB以上〜8GB未満

8GB以上〜16GB未満

8KB( 8,192byte)

16GB以上〜32GB未満

16KB(16,384byte)

32GB以上〜

32KB(32,768byte)
 
 
ハードディスクは、セクタと呼ばれる512byteの記録単位を4〜64個まとめて一つのクラスタを構成します。このクラスタは、私たちが実際にディスク上で記録できる最小の記録単位(ファイル単位)となり、また、FAT(File Allocation Table)というファイル管理システムによって、ディスク上に記録されているファイルの位置情報を管理しています。MS-DOS開発当初の仕様の互換性維持のため、16MBまでは12ビットFAT(FAT12)、それ以上が16ビットFAT(FAT16)となります。ただ、先日試しにWin95で4MBのドライブを作ったらたしかにFAT12ができましたが、4KBクラスタとなってしまいました。何故だかわかりませんが、まず使うことが無いので今回は見逃してやることにしました。

《FAT16について》

16ビットFAT(FAT16)の場合、理論的にはクラスタ数は最大65525個まで使用可能のため、ハードディスクの1ドライブ(1区画)あたりの最大容量は32KBクラスタとして(32KB×64K個=) 2GBまで管理することができます。最近のマシンで2GBを越えるHDDを取り付けできる場合は1区画2GBを上限に複数の区画に分割して使用する必要があります。
今回使ったFB1280ATは全体で1220.59MBの容量があります。(ただし 1MB=1048576byte) したがって、1.2GBの全容量を1区画とすると1クラスタの サイズは32768byteとなります。つまり、たった100byteのテキストファイルでも実際には32768byteの容量を消費してしまうことになります。
クラスタサイズを小さくとると細かなファイルでも効率的に収容することができます。反面、ファイルサイズが大きくなるとディスクのアクセス頻度が増えてしまいますので遅くなります。どのように区画を分けるかは収容するファイルの性格と全体容量との兼ね合いで決めます。もっとも、2.1GB全部を1区画32Kbyte/クラスタで使う方は、よほどHDDに余裕がある方と見受けられますが...。
つまりクラスタは、大学ノートの1ページと考えれば良く、1ページの中身は国語と算数とでは同席できない。B4サイズの薄くて大きな大学ノートを選ぶか、B5サイズの厚くて小さな大学ノートを選ぶかということです。なにせB5サイズでは効率よく記入はできるけれど、ページをめくる量が多くてなかなか勉強がはかどらない。 なに? 大学ノートは買わないって? ノートブックはFMV-BIBLOで充分だって? ・・・そりゃ納得!!
このクラスタギャップがHDDにどの程度の影響を与えるのか、一例を紹介します。細かいファイルの多い「ゼンリンの電子地図」を、それぞれのクラスタサイズの記録領域を持つHDDの各ドライブに記録してみました。各サイズでの無駄使いがどの程度出るものかがよくわかります。

  使用サイズ 無駄となった部分 指数

元の総ファイルサイズ
221.5MB -

100.0

4KBクラスタでの所要容量
8KBクラスタでの所要容量
16KBクラスタでの所要容量
32KBクラスタでの所要容量
246.2MB
269.0MB
311.0MB
423.4MB

+ 24.7MB
+ 47.5MB
+ 89.5MB
+ 201.9MB

111.2
121.4
140.4
191.2

いかがでしょうか。221MBのファイルであっても、32KBクラスタに入れると、何と倍近い423MBもHDDを消費してしまうのです。 やはり、クラスタサイズを考える時はファイルとして何を入れるかが重要な判定要素です。HDDの台数や容量に余裕がある場合はクラスタサイズの小さなドライブを設けることも時によっては必要だということです。このような電子地図ではCD-ROMをHDDにCOPYすることで検索が高速化できますが、ちょっとインストールする先の配慮が必要です。これに対して、EPWING形式などの大きな辞書はファイル自体のサイズが大きいですから、クラスタサイズの大きなドライブへの記録でも何ら問題はありません。(試しにインターネットのキャッシュディレクトリを見てごらん。全体の四分の三は8KB以下のファイルだよ。)
ところでそれぞれのクラスタサイズにおけるHDDの区画の最大値って本当は何MBなのでしょうか。具体的には後で述べますが、FDISKというHDDの区画を分ける作業がありますが、この時に何MBを指定すれば最大値になるのかちょっと試してみました。

サイズ指定する時に、255MB(4,096バイト/クラスタ)、511MB(8,192 バイト/クラスタ)、1023MB(16,384バイト/クラスタ)と指定した場合にそれぞれのクラスタサイズにおける最大容量とすることができます。これ以上は32KBクラスタで16ビットFATの最大値である2GBまでということになります。
この最大値も使用するHDDやSCSI接続の場合などは必ずしもこのとおりにならないようです。たぶんHDD固有のスペックやドライバに依存している部分もあるようで、時として最大値が変わります。このため暗に1023MBを指定しても32KBとして作られることがあり、実際には1019MB前後に最大値が出ることも予想されます。このあたりは何度かFDISKとFORMATを繰り返して最大値を求められた方が良いようです。
ここで指定したサイズと実際に使えるサイズが違うことに気がつきましたか?。(5)では1024MBと表示されますが、実際には1073MBも使えるようになります。これはFMVのカタログ裏面の注意書きにも有るように、1MBを何バイトと解釈しているかの問題です。 MS-DOSのFDISKの1MBは「1,000バイト×1,000個=1MB」換算値としてサイズ指定する必要が有りますが、実際の使える容量としてはあくまでも「1,024バイト×1,024個=1MB」となります。つまり、1MB=1,000,000バイトと勘定するか、1MB=1,048,576バイトと勘定するかの違いね... (^_^;)
MS-DOSのFDISKのサイズ指定は、10進法ライクに「1MB=1,000バイト×1,000個」換算により 255MB, 511MB, 1023MB と入力しますが、実際には2進法に基づく「1MB=1,024バイト×1,024個」として 268MB, 536MB, 1073MB が実際に使うことのできる容量となります。

《FAT32について》

Windows98およびWindows 95の新しいバージョンである OSR2/OSR2.1/OSR2.5では新しいファイルシステムとして「FAT32」と称する32ビットFATがサポートされています。このFAT32では最大2TB(テラバイト)までのファイル管理や、クラスタサイズを任意に小さくとることができます。
HDDの初期化において、FAT16では上限が2GBに限られていましたが、FAT32ではこの2GBという壁が取り払われ、実質的には1区画にいくらでも割りつけられるようになりました。また、クラスタサイズも実用上の512MBから8GBまでは4KBクラスタとなり、FAT16で生じたクラスタギャップについての問題も少なくなりました。
 
FATはファイルの記録位置を管理している一種のデータベースですから、FAT16に対しFAT32の方が大きなデータベースです。このためファイルアクセスだけを単純に比較するとFAT16よりFAT322の方がFAT検索について幾分遅いようです。しかし、Windows98ではこの4KBというサイズがメモリの管理(ページ)単位と合致し、アプリケーションプログラムをメモリにマッピングする動作に極めて効率的であり、高速化の手段となっています。トータル的に見れば、Windows98で利用するならば、FAT32で初期化することが好ましいでしょう。Windows98ではFAT16からFAT32に変換する「FAT32ドライブコンバータ」が標準で付いていますので、いつでもFAT16からFAT32への変換は可能です。ただし、FAT32をFAT16に戻すことは不可能ですので、変換する際は覚悟して行って下さい。
 
このFAT32は、従来のWindows3.1(MS-DOS6.2、PC-DOS7.0)、Windows95(OSR1)、WindowsNT4.0からはドライブを見ることができません。
また、HDDを初期化する際のFDISKのバージョンにより、同じFAT16でもWindows3.1(MS-DOS6.2、PC-DOS7.0)からはドライブが見える場合と、見えない場合があります。これはWindows95以降に採用された「ロングファイルネーム(長い名前のファイル)」をサポートするために、VFATというファイル構造に対応しており、Windows3.1からの書き込みによる長い名前のファイル破壊する可能性があるため、FAT16の基本構造は変えないものの、Windows3.1からのアクセスを制限しているものです。Windows3.1を搭載するマルチOS対応機の場合はMS-DOS6.2のFDISKを使えばいちおう各ドライブのアクセスはできますが、長い名前のファイル破壊の危険性など、このあたりの注意も必要です。

使用するOS
MS-DOS6.2から(Windows3.1) Windows95
(OSR1)から
Windows95
(OSR2以降)Windows98から

HDD初期化に使用したFDISKのバージョン

MS-DOS6.2のFDISK.EXE

FAT16

○:読める

○:読める

○:読める

Windows95(OSR1)のFDISK.EXE

FAT16

○:読める

○:読める

○:読める

Windows95(OSR2以降)、
Windows98のFDISK.EXE

FAT16

×:読めない

○:読める

○:読める

FAT32

×:読めない

×:読めない

○:読める

FAT32で大容量区画と任意のクラスタサイズのサポートを取るか、あるいはシステムの互換性を取るかは皆さんの好みによります。
私ですか? 2号機(Doppel-6300bx)はWindows98によるFS98(FlightSimulator)専用機ですのでもちろんFAT32です。1号機(Doppel-6266fx)はWindows98だけでなく、Windows3.1やWindows95a、それにWindowsNT4.0までも搭載するマルチOS機ですのでもちろんFAT16です。(Windows95のOSR2だけはライセンスが無いから未搭載だけどね...。 )
 

●ドライブ番号の付き方

《ドライブ番号の付き方》

お勉強はこれまで。(前置きが長い>ドッペル)
お待たせしました。それではさっそくハードディスクの増設作業を始めましょう


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