Sorry! Japanese only

FMV-4xxD3 HDD増設マニュアル(初心者向け)

by ドッペルアルバイト (C) 2.Dec.1997


もっとHDDを簡潔に増設する方法

●いきなり最終形態でHDDを増設する

このマニュアルに書かれていることが概ね理解できれば、実際の増設はもっと簡潔に増設することが可能です。
いきなり、増設するHDDをマスタ、既存のHDDをスレーブにジャンパを設定し、ハードディスクユニットは最終の設置位置に設置します。
この場合、マスタHDDは何も書かれていない状態ですからシステムの起動はできません。そこでシステム起動フロッピィからDOSを起動し、増設したディスクを新マスタとして新たにシステム構築をしてやれば良いわけです。
マスタHDDに対し、FDISK、FORMAT、システム転送、既存ディスクからの全ファイルCOPY、アクティブ領域の設定といった具合です。
今まで初心者向けマニュアルとして細かく解説していますが、本当はこれが最もオーソドックスなHDD増設方法です。今までのことが理解できたならばこの方法で行っても良いかと思います。本マニュアルを読むだけでも10分以上かかりますが、手慣れた人なら今までの作業はファイルのCOPY時間を除けば約10分程度でできます。

 

きれいさっぱりマスタにシステムを最初からインストール

●マスタへの新規インストール(システムを最初からインストール)

新たにシステムをインストールしなおす人は、マスタ、スレーブの入れ替えとアクティブな領域の設定が終わったら、ここでMS-DOS6.2のインストールディスク(6枚)を準備し、MS-DOSのインストールを行います。
MS-DOSのインストールは、MS-DOSセットアップディスク(1) を Aドライブに準備し、もう一度電源を入れなおします。
セットアップディスクからMS-DOSが起動されますので、表示されるメニューに従ってMS-DOSのインストールを実施します。
MS-DOSのインストールが完了すると、ハードディスクからの起動が可能となります。電源を入れなおし、新しいマスタから起動できることを確認します。
正常に動作したら引き続きWindows3.1やFONT、OAKV、SB16など各種のシステムをインストールしていきます。
Windows95を新規にインストールするのであれば、Windows95のCD-ROMあるいはFD1枚目のSETUPからインストールをしてやります。アップグレードモデルでしたら、Windows3.1の1枚目が必要です。インストールの途中でWindows3.1のシステムディスク1枚目の提示を要求してきますので、おもむろに水戸のご隠居の印籠のごとく、右手で「控えぃ!」とFDドライブに差し出してやればそれでWindows95のインストールが先に進みます。
マスタへの新規インストール、実はシステム上これが一番良い方法なのですが、過去の資産を引き継ぐ上でかなり大変な作業になりますね。 コンピュータには良くとも身体には良くないので、がんばって再インストール作業を進めて下さいね。(お大事に)
 

もうひとつのWin95マスタ-スレーブ入替え法

●Windows95におけるマスタ-スレーブの入替え法(PART2)

Windows95のマスタ-スレーブのデータ入替えは前述のとおり「YUPDATE」を使うことで簡単にできるようになりました。それ以前までは NIFTYSERVE KGH00603 小林 貢さんが紹介された方法で、以下のとおり対処をしておりました。Windows95のもう一つの入替え法としてここにご紹介します。(旧FFMV Mes13-#4627)

〔Windows95で、増設HDをマスター(Cドライブ)とするためのもう一つの手順〕

BIOS設定で>512MBをEnableにした後に以下の操作を行う。 (466D3で1GB増設の場合) 内蔵HDをはずし、拡張用HDをシングルモードで接続。 Win95セットアップ時に作成した起動ディスク(FD)で立ち上げ。 FDISKで基本MS-DOS領域を設定。 FORMAT C: でフォーマット。SYS C: でWin95のシステムを転送。(メモリ不足で/Sオプション不可の為) 拡張用HDをスレーブに再設定し、元の内蔵HDをマスタで接続。 Win95を立ち上げ、マイコンピュータまたはエクスプローラでドライブCを「すべてのファイルを表示」とする。すべてのファイルを選択し、増設ディスクDにコピー。この時、MSDOS.SYSだけはオーバーライトする。 (スワップファイル[386spart.par]以外のすべてのファイルをコピー) 拡張用HDをシングルモードに再設定し、単独でWin95が起動。 (MSDOS.SYSがオーバーライトされていないと、Win95が立ち上がらず DOSが立ち上がる。 この場合は 6に戻って、MSDOS.SYSをコピー) 変更前の状態が再現されていればOK。 元の内蔵HDをスレーブ、拡張したHDをマスタで接続して、立ち上げ。 無事に2台が認識されれば、完了。

私はこの方法によるWin95のデータ入れ替えの検証は行っていませんので、あまり大きな事は言えないのですが、この方法によるWin95でのHDD増設は以下のとおりとなります。
・まず、元のマスタのWin95のディレクトリの中にあるスワップファイル (WIN386.SWP)を予め無効化しておくこと。Win95のほかにWin3.1も共存している場合はWin3.1のスワップファイル(386SPART.PAR)も事前に無効化しておくこと。ただしCOPY作業終了後は必ず元に戻すこと。
・増設するHDDを単独でマスタ(シングルで)接続し、メンテナンスディスク(システム起動フロッピィ)から起動し、BIOS上で認識されたらFDISKで区画設定、「FORMAT C:」,「SYS C:」で基本MS-DOS領域の設定をする。 起動ドライブのための「アクティブな領域の設定」も行う。HDDは必ず単独で接続すること。 HDDを2台繋げたままとかの手抜きをしないで確実に実行すること。
COPYの際は全部のファイルの移行が必要ですので「マイコンピュータ」または「エクスプローラ」から、「表示」-「オプション」-「表示」-「すべてのファイルを表示」-「OK」として、全てのファイルを選択してCOPYする。この際に「MSDOS.SYS」(システムファイルとして書込禁止フラグが立っている)はオーバーライト(上書き)とすること。
・前々項で SYS C: を実行した時に、新しくMSDOS.SYSが作られてしまうため、マスタ-スレーブの入替えにおいては、今までのMSDOS.SYSを継続して生かしてやるため、必ず元のマスタから新しいマスタに上書してやることがポイントです。
・つまり、HDDを1台毎に確実に区画設定と初期化をしていき、それぞれが終わったらマスタ、スレーブに組み合わせ、ロングファイルネームへの対応のためにWin95を立ち上げ、エクスプローラー上でファイルコピー。ただしMSDOS.SYSの上書きなど、元の姿を完全に保つような形でCOPYする。1台1台がそれぞれシングル接続(単独)の状態でも立ち上がることを確認する。

といったところが Win95でのマスタースレーブ入替えによる HDD増設のポイントのようです。

ベンチマークテスト

●ベンチマークテスト

ハードディスクのパフォーマンスを測定するベンチマークテストとしてQuantum社の「QBENCH」が有ります。他にも「ATBENCH」とか「CORETEST」などというのもありますが、いちおうHDDの性能を測定するにはそれなりの目安になると思います。参考までに Versionが 1.21とちょっと古いのですが、今は無きD3で測定した「QBENCH」の結果を示します。
なお、QBENCHは現在 Version 1.30 が最新です。従来はQuantum社の サイトから入手できたのですが、最近は行方不明になっています。検索エンジンで捜索したところ何カ所かに置いてありました。かなり妖しいサイトもありますので、病原体感染にはくれぐれもご注意下さい。とりあえずこれを入手できるところのURLは下記のとおりです。

---------------------------------------------------
http://www.vobis.de/bbs/firmen/quantum/general/
---------------------------------------------------

また、QBENCHはV1.21で良ければ、NIFTYSERVE FIBMJのLIB#16にもあります。
〔QBENCHの概要〕
QBENCHは、CPUからHDDへの情報要求に対し、実際に情報を受け取れるまでの「読み取り時間」および「書き込み時間」、「CPUへの転送所要時間」を測定するテストプログラムです。HDDの動作は、(1)CPUからHDDに情報要求の伝達、(2)ヘッドを所定位置に移動、(3)データの転送 という作業が必要となり、このデータを読み出すまでの所定トラックへのヘッドの移動時間を一般的に「平均シークタイム」と言い、また、HDDに対して読み書きに要する時間をアクセスタイムと言います。
QBENCHではテストデータとして、1,2,4,8,16,32,64,128セクタの8つの転送サイズ(ブロックサイズ)によって、あらかじめ決められたパターンでこのアクセスタイムを測定していきます。このパターンは、Quantum社が独自に調査した結果として、日常の実務におけるHDDの使用割合を指標として設定し、これに基づいて行っているものです。
[Quantum社の調査結果]
 

Read

Write

合 計

シーケンシャル

39%

26%

65%

ランダム

21%

14%

35%

合 計

60%

40%

100%

このブロックサイズ毎のアクセスタイムの測定結果から、最後に4つのアクセスタイムの加重平均値を取り出しています。QBENCHの特徴として、アクセスタイムはHDDの動作に依存する部分のみの時間ですから、使用するCPUに左右されない結果が出てきます。また、実用調査に基づく使用割合によりテストしていることがあげられます。
〔ではQBENCHの結果です〕

前述のとおりFMV-D3ではマザーボード(BIOS)の性能や、 PIO-Mode4 などの高速転送モードがサポートされていないため、今回増設のFB-1280ATは残念ながら1850KB/Secにとどまりました。しかしアクセスタイムが約半分以下の時間に短縮されるなど、基本搭載のHDDに比べると性能は格段に早くなっています。体感的にも電源投入からのシステム起動時間や、ハードディスクを頻繁にアクセスするソフトではCPUを換装したように早く感じられます。
実際にはSide jr PRO などのマルチI/Oカードを増設してD3で高速転送モードを使うことも可能ですが、やはり相性問題が残っており、あまりお勧めはできません。(うちの場合はCOMポートにコンフリクト問題が発生)
実用的なところでは最近のUltraATAカードを増設することで性能向上に期待が持てますが、これらはちょっとマニアチックな世界になってきますので、本マニュアルからは割愛をさせていただきます。(旧FFMVのMes13などの過去ログ参照)
ちなみに今回増設に使ったHDDを旧ドッペル機(P55-200MHz)に持っていった時と、現在最新のHDDの性能は以下の結果となりましたので、参考までに。


Copyright (C) 1997 ドッペルアルバイト, All rights reserved

【Previous Page】 【Top Page】 【Next Page】