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FMV-4xxD3 HDD増設マニュアル(初心者向け)

最終更新 31.oct.1998

by ドッペルアルバイト (C) 1997-1998


●IDEハードディスクの増設について

DOS/V機のIDEハードディスクの増設は、プライマリー端子に2台、セカンダリー端子に2台の合計4台まで接続できます。ところが、FMV-D3についてはセカンダリーIDEのサポートを行っていないため、実際には最大2台となっています。このためIDE以外のハードディスクを増やす方法としてはSCSIインタフェースカードを実装したうえで、SCSIハードディスクを増設することとなります。最近ではIDEディスクの高性能化も顕著であり、SCSIインタフェースも不要、かつ安価に大容量のハードディスクをつなげることができます。

FMV-D3以降のマシンではエンハンスドIDE(E-IDE)をサポートしていますので、528MBをこえるハードディスクを利用することができます。もちろん528MB以下のIDEハードディスクの利用もそのままつなげばOKですが、現在市販されているHDDはほとんどがギガバイトオーバーの高速かつ大容量なディスクが主流となっています。なお本マニュアルではE-IDEディスクを含め、これらを一般的にIDEディスクと総称します。

 

《今主流のディスク》

下記の表が現在市販されている主流品です。市販価格は純正品を除き、いずれも約20,000円(2GB))〜35,000円(8.4GB)前後です。HDDドライブは生ものですから最新の価格データはインターネット上の各販売店のWebや各種雑誌の広告などを参照して下さい。

赤字で記載されている製品はUltraATA(DMA/33)対応です。これらの製品は従来の転送モード「PI0mode-4/DMAmode-2」とは上位互換となっていますので、UltraATA(DMA/33)をサポートしていないパソコンであっても使用することができます。ただし、FMVシリーズの旧機種であるFMV-D3/D4、およびT/T2/C/C2などは、BIOSが4095シリンダの制限から、2.1GBを超えるHDDを認識できませんのでご注意下さい。

メーカ名

名 称

容量

回転数(rpm)

Seek Time

buffer

D3/D4推奨

富士通純正品
FMV-ID43G1 4.3GB

5400rpm

R10ms/W12ms

(128KB)?

×
FMV-ID32G2 3.2GB

R10ms/W11ms

×
FMV-ID26G1 2.6GB

R10ms/W12ms

×
FMV-ID17G2 1.7GB

×
FMV-ID16G2 1.6GB

FMV-ID12G2 1.2GB

12ms

富士通OEM
MPB3064AT 6.4GB

5400rpm

R10ms/W12ms

256KB

×
MPB3052AT 5.2GB

×
MPB3043AT 4.3GB

×
MPB3032AT 3.2GB

×
MPB3021AT 2.1GB

×

Quantum
Fireball EL 10.2AT 10.2GB

5400rpm

9.5ms

512KB

×
Fireball EL 7.6AT 7.6GB

×
Fireball EL 5.2AT 5.2GB

×
Fireball EL 2.5AT 2.5GB

×
Fireball SE 8.4AT 8.4GB

5400rpm

9.5ms

128KB

×
Fireball SE 6.4AT 6.4GB

×
Fireball SE 4.3AT 4.3GB

×
Fireball SE 3.2AT 3.2GB

×
Fireball SE 2.1AT 2.1GB

Western Digital
Caviar AC36400 6.4GB

5400rpm

9.5ms

256KB

×
Caviar AC24300 4.3GB

×
Caviar AC12100 1.2GB

Caviar AC35100 5.1GB

5400rpm

11.5ms

256KB

×
Caviar AC23200 3.2GB

9.5ms

×
Caviar AC22500 2.5GB

5200rpm

11ms

256KB

×
Caviar AC22000 2.0GB

IBM  
Deskstar8 DHEA-38451 8.4GB

5400rpm

9.5ms

512KB

×
Deskstar5 DHEA-36481 6.4GB

×
Deskstar5 DHEA-34331 4.3GB

×

Maxtor
DiamondMax 88455D8 8.4GB

5200rpm

9.7ms

256KB

×
DiamondMax 87560D7 7.5GB

×
DiamondMax 86480D6 6.4GB

×
DiamondMax 85400D5 5.4GB

×
DiamondMax 84320D4 4.3GB

×
DiamondMax 83240D3 3.2GB

×
DiamondMax 82160D2 2.1GB

×
DiamondMax 81750D2 1.7GB

???
DiamondMax 87000D8 7.0GB

5200rpm

10ms

256KB

×
DiamondMax 86480D8 6.4GB

×
DiamondMax 85250D6 5.2GB

×
DiamondMax 84320D5 4.3GB

×
DiamondMax 83500D4 3.5GB

×
DiamondMax 83240D4 3.2GB

×
DiamondMax 82560D3 2.5GB

×
DiamondMax 81750D2 1.7GB

???

Seagate
Medalist ST38641A 7.9GB

5400rpm

R10.5ms/W11.5ms

128KB

×
Medalist ST36531A 6.5GB

×
Medalist Pro ST34321A 4.3GB

×
Medalist ST32110A 2.1GB

???

(◎はFMV-D3/D4でも問題無いとされるHDD)

以上のように最近の主流は2GBが最低容量として、大きいものでは8.4GBといったものまでが登場しています。ところが、FMV-D3/D4などの旧機種へのHDD増設に際して、ディスクの大容量化に伴う新たな問題が発生してしまいました。
 
《FMV-D3/D4への大容量HDD、ではいったい何を選ぶか》
 
ディスクの大容量化に伴う新たな問題として、FMV-D3/D4などの旧機種で、2.1GBを超えるHDDが増設できないといった問題が生じました。これは本体に内蔵しているBIOSが古く、2.1GB以上を認識できないといった問題でした。 会議室でも「Western Digital Caviar AC32500」や「Quantum FireBall3200AT」は D3に付かないといった報告があります。最近は販売されているHDDのほとんどが2.1GBを超える大容量のものであり、この事をを知らずにHDDを買ってしまい、地雷を踏んでしまう結果がたびたび見受けられます。
では、2.1GB以下ならすべて大丈夫か、と言うとそうではありません。正しくは同じ2.1GBのHDDでも4095シリンダを超えるHDDが動作しない対象となります。FMV-D3/D4などの旧機種ではこのシリンダ数に動作上の制約が出てしまいます。例えば、Western Digitalの「Caviar AC22100」や、Quantumの「FireBall SE2.1AT」はいずれもシリンダ数が4092の2.1GBのHDDですが、同じ2.1GBのHDDでありながらIBMの「DAQA32160」はシリンダ数が4200であり、この場合はFMV-D3/D4では使用することができません。
FMV-D5以降、最近発売の機種ではこの問題は解消されたようですが、FMV-D3/D4といった旧機種への増設では2.1GB以下(正しくは4095シリンダ以下)のディスクを選択しなければ動きません。これから 増設される初心者の方は、FMV-D3/D4への接続の実績のある下記の2機種をお勧めします。このHDDは前述のとおり、シリンダ数が4092で、FMV-D3/D4に接続できるE-IDEとしては最大クラスのものとなります。最近ではHDDの大容量化により、プラッタ(HDDに内蔵されている磁気円盤)1枚あたりの容量は3.2GBクラスとなっており、このためプラッタ1枚あたり2.1GBクラスでシリンダ数が4095以下のHDDは販売量が極端に少なくなってきております。FMV-D3/D4でHDDの増設を計画される方はなるべく早めに調達しておいた方が良いと思います。

 

〔結論:FMV-D3/D4への推奨HDD〕

メーカ名

名 称

容量

回転数(rpm)

Seek Time

buffer

Quantum社

FireBall SE2.1AT

2.1GB

5400

9.5ms

128KB

Western Digital社

Caviar AC22000

2.0GB

5200

11ms

256KB

 

2.1GB-HDDのシリンダ数を一覧表として SGV03231 ままれーどさん がまとめられております。(う〜ん、超大作!!)

StarBozeさんのホームページの中のままれーどさんのページに掲載されていますので、くれぐれも地雷を踏まないようにご注意下さい。

ちょっとシリンダのお話し

 
HDDの内部には磁性体を塗布した円盤が入っており、この円盤上に外側から中心に向かって同心円を描くように「トラック」と呼ばれる記録領域があります。外側がトラック0、内側に向かってトラック1、トラック2というように番号が付けられています。両面ディスクは同じトラック番号が表面と裏面に有り、これを何枚か重ねて同心円の円筒状に管理することで、これらをまとめて「シリンダ」と言います。つまりシリンダは、磁気ヘッドを移動させないでいっぺんに読めるトラックの集合体のことです。

 
《旧機種に2.1GBオーバーのHDDを増設するには》
 
(1)メーカ純正のBIOSアップデート
 
FMV−5□□□D4については富士通が有償で提供するBIOSの純正アップデートを行うことで、2.1GBオーバーの大容量HDDを取り付けることができた旨のレポートがありました。必要になる場合はもっとも安全に実施する方法です。
 
(2)BIOS騙しの導入
 
旧機種にIDE接続で2.1GB以上のHDDを認識をさせるためには、俗に「BIOS騙し」と呼ばれるディスク管理ツールを導入します。このツールには「EZ Drive」あるいは「Disk Manager」という製品があります。この製品はかつて E-IDEに対応しないマシンに導入することで、528MB以上の製品を認識させるために使用していました。ここにきて「2.1GB以上を認識させる」というもう一つの使われかたをするため、再び脚光を浴びてしまいました。歴史というものは繰り返されるものですね :-(

Western Digitalや Quantumの HDDであれば、インターネット上の各社のサイトからこれらのBIOS騙しツールを入手することができますが、これ以外のメーカのHDDであれば、これらの市販の「汎用版」を入手する必要があります。市販価格は数千円(4,000円前後)するようです。

〔インターネット上から入手できるBIOS騙し〕
 
《IBM》 http://www.storage.ibm.com./techsup/hddtech/welcome.htm
Ontrack Disk Manager for IBM version 9.43
《Western Digital》 http://www.wdc.com/support/ftp/drives.html
EZ-Drive v9.09W Ezdrive9.exe
《Quantum》 http://support.quantum.com/menus/soft_menu.htm
Ontrack Disk Manager for Windows version 3.00 Dm903.exe

(3)何とも怪しいBIOSアップデート(パワーユーザ限定)
 
自力でBIOSアップデートをすることで大容量HDDを増設したレポートがFFMVのMes19に有りました。過去LOGをさらってみてください。ただし初心者はこの方法は絶対に行わないでください。失敗するとパソコンが単なる鉄の箱になってしまいます。

 
《SCSI接続による2.1GBオーバーのHDD増設》
 
FMV−D3/D4などの旧機種において、どうしても2.1GB以上の大容量HDDを使いたいということであれば、IDE接続にこだわらず、素直にSCSI接続によるHDD増設をすることをおすすめします。SCSI接続であればこの 2.1GBという制限はありません。SCSIインタフェースも最近は低価格化しており、IDE-HDDに比べてちょっと割高になりますが、将来性を考えて今からSCSI接続にしておくことも良いのではないでしょうか。もちろんD3にもIDE-HDDと同様、工夫すれば本体内部への増設もできますし、また将来はMOやイメージスキャナの接続など拡張性も十分です。
 
FMINFOによると、内蔵ハードディスクユニット-2.5GB(FMV-ID25G1)の技術情報として、これをサポートする機種に以下の機種が示されています。従って、これ以前の機種(D3あるいはD4)では上記で紹介した 2.1GB以下の HDDを選択すればまず地雷を踏むことは無いと思いますし、これ以降の機種であればもっと大容量の性能の良い HDDを増設できる可能性を持っています。IBMのDHEAシリーズ、QuantumのFBSEシリーズなどは現在最高の性能が期待できると思います。

〔FMV-ID25G1のサポート機種〕
FMV-5166D6, 5133D6, 5100D6, 5166D5, 5133D5, 5120D5, 5100D5, 575D5, 5166DE4, 5133DE4, 5133DE3, 5120DE3, 5100DE3, 5200T4, 5150T4, 5166T3, 5150T3, 5133T3, 5120T3, 5100C3, 590C3, 5120DPC, 5133DPS, 5150DPS, 5166DPT, 5150DPT, 5133DP, 6200T3, 6150T3

 

   《8.4GBオーバーのHDDを増設するには》

最近では8.4GBを超えるIDEハードディスクが販売されるようになってきました。しかし、8.4GB(16383シリンダ)を超えるHDDを増設するには、これに対応する最新のBIOSを搭載している必要があります。最近は、富士通から一部の機種について、この8.4GBを超えるHDDをサポートするBIOSが公開され、このBIOSを書き換えることにより、極めて大容量なIDE−HDDの接続が可能となりました。BIOSの公開されている対応機種は以下のとおりです。
 
FMV-DESKPOWER SIV237

FMV-DESKPOWER DC 23SIII
FMV-6300D9
FMV-6266D9
FMV-6233D9
詳細はFMWorld参照
http://www.fmworld.ne.jp/support/bios/index.html
 
いずれの機種もごく最近のPentiumIIマシンですが、この型番から98年冬モデル以降のPentiumIIマシン(FMV-DESKPOWER SV237以上)であれば、まず8.4GBを超えるIDE−HDDの接続が可能と推察されます。(まだ動作確認報告はありませんので、ご注意下さい)

 

《相性問題について》
 
ひと昔前までは「基本のHDDと同一メーカの方が相性が良い」ということが定番でした。一時的には相性問題もほとんど聞かなくなりましたが、ディスクの高性能化によりまたいくつかの相性問題が出てきています。ただ、最近の相性は同一メーカという先の相性問題でなく、高性能化に起因する問題、たとえば「マザーボード(BIOS/コントローラ)との相性」、さらには「IDEケーブル」なんていう問題であったりします。基本的には上記の2.1GBの問題を除けば、増設するディスクはほぼどこのメーカのものでも問題無いと思いますが、いちおうは販売店員さんの情報やFFMV会議室などの動作確認情報をチェックした上で購入した方が良いでしょう。特に最近では某社HDDと某社マザーとは仲が悪い、あるいは比較的短期間でお亡くなりになる某社HDD(いずれも匿名希望)など、FMVの鬼門製品もいくつか有ります。HDDの増設はそれなりにある程度は覚悟して望む必要があります。リスクを最小限にするためにもHDD増設前には沢山の情報を仕入れるべきです。ただし、FFMVの会議室で過去LOGも一切読まず、いきなり「FMV-D□に使えるHDDは何?」なんてやぼな質問するのはご勘弁。ちょっとLOGを逆上ればいくらでも情報は有ります。過去 LOGを充分に参照してから、わからない点を質問してみても遅くはないです。会議室は情報の宝箱です。
 
 
《情報の共有について》
 
過去ログに登場していない新型のディスクの増設に成功した時は、今後続く人のためにもぜひ動作確認報告(使用機種と使用ディスク名)や増設のヒント(難しかったところ)などを会議室にアップして下さい。特に会議室の発言はサイクリックですから999発言をもっていつの間にかこれらの実績報告が消えてしまいます。現在、FFMVのHDD関連会議室も約2〜3カ月で消えているのが現状です。これらの情報はマルチポストと違い、何回アップされても良いものです。最近はFMV本体も4〜6カ月サイクルで頻繁にモデルチェンジが行われていますから、全ての本体とHDDの組み合わせ条件をチェックすることは困難です。自分と同じモデル番号の本体につく増設HDDのレポートが有ったときは誰もがうれしいはずです。これは是非、皆さんが協力しあって情報を共有をされていくようお願いいたします。このマニュアルがフリードキュメントであるのもこのためです。Give-and-Takeの精神により、みんなで幸せになりましょう。もちろん新型ディスク増設の人柱となった人もご愁傷サマですがよろしくお願いします。


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