2台目のコンピュータを持ったらRDisk

最終更新 5.may.1998


●はじめに

パソコンを使い始めてしばらくたつと、2台目のパソコンがほしくなるという性の人は世の中ごく一般的に存在します。デスクトップ機を使っているとノートブック機が、ノートブック機を使っているとタワー型がほしくなる、というように金欠の病は限りなく重症に陥っていきます。2台目のパソコンを購入するとはいってもかなり高価なものですし、2台目とLANを組むとなるとそれなりの投資が必要。というわけで、そんなパソコン貧乏なあなたに手軽に2台のコンピュータをつないでそれぞれの資源を共有できるRDiskというソフトウェアを使った簡易LANの構築方法をご紹介します。

●LANについて

LANにはその規模に大きく分けて2つのタイプに分けられます。

《クライアントサーバ型》

集中的に処理を行う専用のサーバを設置しその配下に利用者が接続されるタイプのLANです。
サーバでは各利用者を一括管理するとともに、共用のディレクトリを持つことで各端末からデータベースやファイルの参照を行う、あるいは共用プリンタなどのハードウェア資源を利用することができます。専用のサーバを設置する必要があるため中大規模のネットワークに適用されます。

《ピア・ツー・ピア型》

専用のサーバを置かずにクライアント同士が同等の立場で接続されるタイプのLANです。利用者の設定は各端末毎に行い、特定の端末に接続したプリンタなどの資源をグループで共用することもできます。専用のサーバを持たないため、数台の端末が有れば手軽に小規模のネットワーク構築ができます。

 
個人のパソコンでは接続してもせいぜい2〜3台程度ですので、実際には2台のコンピュータを直結する方式か、またはハブと呼ぶ集線装置を使って相互に接続をするピア・ツー・ピア型のLANが主流になります。

●RDiskについて

RDiskは、GHH01155, 京都KEN-NET/ken00100 Shigenori さんの大変優秀なフリーソフトです。このソフトを 使うことで2台のコンピュータ間を接続するクロスケーブルさえ1本有ればピア・ツー・ピアもどきの簡易LAN 環境を構築することができます。

《特長》

クロスケーブル1本のみで2台のコンピュータによる簡易LANが構築できます。
 Windows95はファイル共有などのネットワーク機能を持っていますが、ネットワーク機能を持たないMS-DOS やPC-DOS、Windows3.1などにRDiskさえあれば特別なネットワークソフトを持たなくても相互の通信ができます。
DOSモードで使用できますので、Windowsが立ち上がらなくても通信できます。システムのトラブル時など、 いざというときに起動フロッピイさえあればCPU間でファイル転送などの通信ができます。
相手方のHDDのみならず、CD-ROMドライブも使うことができます。CD-ROMを持たないノート型パソコンの資源共用に便利です。相互のデータの移しかえだけでなく、Windows3.1からWindows95、あるいはWindows98へのアップグレード、各種アプリケーションのインストールがデスクトップ機のCD-ROMドライブを使って行うことができます。

デメリットとしては、LANカードを使った本格的なLANに比べ、転送速度が遅いことです。でも350〜450Kbps程度はありますので、フロッピィディスクの読み書き程度の速度では通信できます。 デスクトップ機用のLANカードは約4,000円程度から入手できます。デスクトップ機同士の接続でしたら LANカード2枚とLAN用クロスケーブルを購入すれば高速かつ本格的なLANが構築できます。もし、デスク ップ機同士の接続であればいっそのことLANで結んだ方が効果的です。しかしノートブック用の PCカードタイプのLANカードですと約12,000円程度と、まだまだ高いですから、本格的なLANまで必要の無い 金欠組の方は当面はRDiskでもよろしいのではないでしょうか。

●準備するもの

(1) RDiskプログラム
まずRDiskを仕入れて下さい。それからWin95で使う場合は、いっしょにDOS7.0用のパッチ(修正モジュール)がアップされていますので、ついでに入手しておきましょう。
 
 NIFTY FPCUPRO LIB#3
 394 GHH01155 95/07/03 99370 B RDisk600.LZH Remote-Disk Version 6.00
 397 GHH01155 95/08/23 5174 B UpRDisk .LZH RDisk v6.00のDOS7対応パッチ
(2) クロスケーブル
1,500〜3,000円程度で市販されています。一般にDOS/V用のパラレルクロスケーブルまたはインターリンクケーブルと言えばわかります。D-sub25ピン(オス) − D-sub25ピン(オス) というコネクタ仕様でプリンタのコネクタに接続するタイプですので、間違えないように予めプリンタコネクタを良く見ておいて下さい。

●接続形態

コンピュータ同志の接続は、デスク側のLPT0とノート側のLPT0をクロスケーブル(クロスケーブル)で結ぶだけです。
LPT0とは本体に標準で付いているいわゆるプリンタ接続用のコネクタです。

通常のプリンタに接続するケーブルはストレートケーブルと言い、コンピュータ同士を直結する場合はこれの流用は効きません。ストレートケーブルは全てのケーブルが1番ピンから25番ピンまで平行に結線されていますが、クロスケーブルは制御線の一部がコネクタの内部で反転して結線されています。


●共有した時のドライブ番号について

 

O: 〜 Q: がネットワークドライブ(NW)になります。
ネットワークドライブはあたかも自分の本体に接続しているドライブと同様に扱うことができますが、これはLANを通して接続された相手方のドライブを共有しているものです。ネットワークドライブには相手の接続ドライブに対応して、自分のマシン側から操作することのできるドライブ番号を重複しないように割り振ることとなります。ここではO:ドライブ以降を割り当てることにします。

●導入のための準備

RDiskを入手したら、デスク側、ノート側の両方に「RDisk」というディレクトリを作り、RDISK600.LZHを解凍します。 AUTOEXEC.BATの SET PASSにも C:\RDISK; を追加記述しておきましょう。
(例:set path=c:\windows;c:\rdisk; 〜 )
Windows95で使用する時は、RDiskにDOS7用(Windows95用)のパッチ(修正プログラム)を当てます。パッチの当て方は、UpRDisk .LZH をRdiskと同じディレクトリに解凍し、UPRDISK.EXE を実行してやれば RDISK.COMがDOS7用に書き換えられます。ただし、DOS7用のパッチを当てても プログラム本体であるRDISK.COM は元の V6.0 と同じファイル名となりますので、Windows95とWindows3.1を共用されている方は、予め Windows95用のRDISKは「C:\RDISK7」にするなど、Windows3.1 とは別のディレクトリに分けておく方が懸命です。
(AUTOEXEC.BATのSET PATH も「c:\RDISK6;」と「c:\RDISK7;」とに分けておく)
基本的にはこのパッチさえ当てておけば特に問題なくWindows95で動作しますが、もし RDISKWIN.EXE など、RDiskがWindows95で動かなかったら、SETVER.EXEを使ってMS-DOS6.2用としてバージョンを合わせる登録をしておいても良いです。

●起動の方法

今回は、デスクトップ機(デスク側)とノートブック機(ノート側)をRDiskにより接続した場合を例に説明していきます。起動作業の流れとしては、(1)DOSによる通信ドライバの起動 と (2)Windows用の制御プログラムの起動 の2つです。通信ドライバさえ起動してやれば、相互の資源のドライブが確立されますので、MS-DOSあるいはPC-DOSの操作であれはこれで相互の資源を使うことができます。
《通信ドライバの起動》

Windows95の場合はDOSが起動したらそのまま Windows 画面に入ってしまうので、予めその前に通信ドライバをロードしておく必要があります。このため、BIOSチェックが終わって、Starting Windows95 が起動している時に、ファンクションキー「PF8」を押して起動メニューを出します。
メニューから「Command Prompt Only」を選択して起動してやれば DOSの起動時(Windows3.1)と同様に「C:\>」で止まりますので、この時に通信ドライバを起動してやれば良いだけです。
DOSモードでパラレル通信ドライバ(PIOIBM)とRDISKを立ち上げます。
上からの順番でコマンドを入力していって下さい。

順番 デスク側 ノート側
1 PIOIBM  
2 RDISK /Mp /Dcde /No  
3   PIOIBM
4   RDISK /Mp /Dcd /No

/Mp はピア・ツー・ピアのモードでデスク側、ノート側両方からそれぞれの資源を使うことができます。
/Dcde はデスク側の c→Cドライブ と d→Dドライブ、e→Eドライブをノート側に供用する指定です。(HDDがCおよびDドライブ、CD−ROMがEドライブ)
同様にノート側は /Dcd でデスク側にCドライブとDドライブを供用します。
/No は供用されたドライブがo、つまりドライブ番号をOドライブから割り振りを始める指定です。この結果、ノート機側で使えるDOS上のドライブは、A: B: C: O: P: Q:となります。(デスクの C: D: E:をノート側の O: P: Q:として共用)

なお、Windows3.1の使用時など、CONFIG.SYSにLASTDRIVEの記述がある場合は、使うドライブ数が増えますので、最終ドライブの記述も忘れずに行って下さい。(LASTDRIVE=Z で良いです)

《Windowsの起動》

接続が確認ができたら、コマンドプロンプトから「WIN」と打ち込んでやれば、いつものWindows3.1あるいはWindows95が立ち上がります。そしてWindowsが起動したらRDiskの中に同梱されているRDISKWIN.EXE を双方のコンピュータで起動してやれば良いだけです。
RDISKWINは、初めて起動する時に限り、「導入」という操作が必要です。メニューから「導入」を選び、「導入が完了しました」のメッセージが出たらシステムを再起動するだけですべて準備は完了です。2回目の起動の時からは共用ドライブがすぐに使うことができます。RDISKWINが起動したら動作中はタスクバーにアイコン化しておき、そしてエクスプローラを起動してみてごらんなさい。きっと相手のパソコンの中身が見えるはずです。

これでDOS環境だけでなく、Windows上でも何のこだわりもなく資源の共有化ができます。どうです? 簡単でしょ。DOSの記述をバッチファイルにしておけば、いつでも簡単にLAN環境が使えます。

ドッペル1号機(Doppel-6266fx)の nwpc.bat の 中身
PIOIBM
RDISK /Mp /Dcdefghijklmn /No
ドッペル2号機(FMV475NU/T)の nwpc.bat の 中身
PIOIBM
RDISK /Mp /Dcde /No

●終了の方法(RDiskの開放)

Windowsでは通常は使用を終わってしまえば本体の電源を切るのが一般的ですから、Windowsの終了でそのまま電源を切断してしまえばそれで終わりです。
RDiskはメモリに常駐して通信制御しますので、もし使用後にDOSモードなどで引き続いてシステムを使用するならば、RDiskをメモリから開放してやる必要があります。この場合は起動した順番と逆の手順で開放してやります。
 
順番 デスク側 ノート側
1 RDISK /R  
2 PIOIBM /R  
3   RDISK /R
4   PIOIBM /R

●おわりに

ぜひRDisk添付のマニュアルを読み理解してみて下さい。RDiskは奥の深い大変優秀なソフトウェアです。しかもRdiskはフリーソフト。高いLANカードも一切不要。Shigenoriさんに感謝して皆さん、バンバン使いまくりましょう。 ...σ(^_^)金欠
最後になりますが、フリーソフト以外の各種ソフトウェアについては、一般的にライセンス上、1台のコンピュータ上でしか使うことが認められていません。一部には利用者単位のライセンスとして、複数のマシンへのインストールを認めているソフトもありますので、2台以上のコンピュータを接続してソフトウェアを使用する場合は許諾されているソフトウェアの使用条件の範囲を遵守のうえ、CD−ROM共有、HDDデータ共用など、RDiskによるコンピュータ間の相互通信をお楽しみ下さい。

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